ボトックス注射(眉間・目尻のしわ)
ボトックスとは
ボトックスはA型ボツリヌス毒素を製剤化したものです。
ボツリヌス毒素はボツリヌス菌によって産生される神経毒素で、A~G型の7種類に分類されます。そのうちA型とB型が製剤化され、さまざまな疾患の治療に用いられていますが、「眉間・目尻の表情じわ」や「腋窩多汗症」に対して厚生労働省に承認されている製剤はA型のみです。
A型ボツリヌス毒素は、神経の末端に作用し、アセチルコリンという伝達物質の放出を阻害します。筋肉への伝達を抑制することで表情筋によるしわを改善し、汗腺への伝達を抑制することで多汗症に効果を発揮します。
ボトックスビスタ
ボツリヌス毒素製剤はさまざまな製薬会社が製造・販売していますが、眉間・目尻の表情じわに対し厚生労働省の承認を得ているのは、アラガン社のボトックスビスタのみです。安全性が高く、他社薬剤との比較試験において効果や持続期間も優れていることが報告されているため、当院での自費治療にはボトックスビスタのみを採用しております。
治療の流れ
- 診察でしわの部位や状態を確認させていただきます。
- 同意書にサインをいただきます。
- ボトックス投与部位をマーキングいたします。
- 痛みを軽減するため、アイスパックでクーリングいたします。
- マーキングした部位(眉間のしわでは5ヵ所、目尻のしわでは左右3ヵ所ずつ)にボトックスを投与します。
- 注射後はすぐにメイクをしてお帰りいただけます。
ご注意
- 以下の方はボトックス注射はできません。
- 全身性の神経筋接合部の障害を持つ方(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋委縮性側索硬化症など)
- 妊婦または妊娠している可能性のある婦人および授乳婦
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
- 65歳以上の方の眉間・目尻のしわへの注射は推奨されていません。
- 2回目以降の注射は、前回から3か月はあける必要があります。
- ボトックス注射後、女性は2回の月経が終わるまで、男性は3か月間の避妊が必要です。
Q&A
Q)注射は痛いですか?
A)当院ではボトックス専用の細い針を使用しクーリングを併用することで最小限に抑えておりますが、多少の痛みはあります。
Q)注射の後は、どれくらい通院が必要ですか?
A)基本的に通院の必要はありません。腫れや痛みを生じたり、内出血のあとが消えなかったりした場合には受診をお願いいたします。
Q)注射後、お風呂に入れますか?
A)当日から入浴は可能ですが、注射した部位は強く擦らないようにしてください。もし発熱や腫れがあれば当日は避けてください。
Q)注射後、運動は出来ますか?
A)激しい運動でなければ構いません。
Q)注射後、お酒は飲めますか?
A)過度な飲酒でなければ構いません。もし発熱や腫れがあれば当日は避けてください。
Q)効果はどれくらい続きますか?
A)4~6か月が目安となります。効果が落ちてきた時には追加での注射が可能です。