基底細胞癌
基底細胞癌とは
基底細胞癌(きていさいぼうがん)は、皮膚癌の一種です。「癌」という名称がついていますが、癌の中では悪性度が低いタイプです。命に関わることはほとんどなく、転移することもまずありません。
しかし、だからと言って放っておくと、深くまで進行し、筋肉や骨にまで達することがあります。心配なできものを見つけた場合には、皮膚科専門医へ受診してください。
症状
多くの場合、初めは黒色~黒褐色の軽く盛り上がった、ほくろのような発疹です。数年以上かけて徐々に大きくなり、進行すると中心部は陥没して潰瘍になります。顔に生じやすく、とくに目や鼻の周りに多いという特徴があります。まれに黒い色が見られないタイプもあります。
原因
一番大きな原因は紫外線と言われています。ほかに外傷、熱傷(やけど)、放射線なども原因になることがあります。
検査
診察だけで診断がつくこともありますが、専用の拡大鏡(ダーモスコピー)で確認するのが理想的です。部位や大きさによって、当院での手術が難しい場合には、大病院へご紹介させていただきます。
治療
まず手術ですべて切除するのが大切です。取り残しがないように、周囲の正常な部分を含めて大きく切除します。基本的には手術だけで完治が望めます。
病気が進行し、すべて切除することが難しい場合には、放射線治療を行うことがあります。
海外では外用薬による治療も行われていますが、日本ではまだ保険適応外です。
日常生活での注意点
紫外線は基底細胞癌だけでなく、さまざまな病気の原因となります。皮膚の健康を維持するためには、普段から紫外線防御を心がけることが大切です。
紫外線防御には、日傘や帽子も効果的ですが限界があるため、日焼け止めの使用がおすすめです。日焼け止めは一日中効果が続くわけではないため、最低でもお昼に一回塗りなおす必要があります。天気がくもりの日でも紫外線は60~70%ほどにしか減りませんので注意が必要です。