悪性黒色腫
悪性黒色腫とは
悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)は、いわゆる「ほくろの癌」で、メラノーマとも呼ばれます。悪性度の高い癌であることが知られていますが、早期発見・早期治療を行えば、完治させることができます。心配なできものを見つけた場合には、皮膚科専門医へ受診してください。
症状
悪性黒色腫は部位や形によって、次の4つのタイプに分類されます。
- 末端黒子型
手のひら、足のうら、爪に発生する日本人に多いタイプです。全体の約30%がこのタイプと言われています。 - 表在拡大型
胸・お腹・背中などに発生するタイプです。肌の色が白い人に多く見られます。 - 結節型
盛り上がったしこりがだんだん大きくなってくる、悪性度が高いタイプです。体のどこの部分にもでき、しこりのまわりに色の染み出しがほとんど見られないことが特徴です。 - 悪性黒子型
ご高齢の方の顔に発生するタイプです。不規則な形の色素斑(しみ)が徐々に拡大していきます。
原因
遺伝、紫外線、外的刺激などが原因になると言われています。
検査
診察だけで診断がつくことが多いですが、専用の拡大鏡(ダーモスコピー)を使うと、より確実です。少しでも悪性黒色腫が疑われる場合には、大病院へご紹介させていただきます。
治療
まず手術ですべて切除するのが大切です。取り残しがないように、周囲の正常な部分を含めて大きく切除します。近くのリンパ節に転移している疑いがあれば、その部分も合わせて切除します。早期の悪性黒色腫であれば、手術だけで完治が望めます。
病気が進行し、離れた部分に転移している疑いがあれば、手術後に化学療法(抗癌剤の投与)を行います。これまで悪性黒色腫は抗癌剤が効きにくいとされてきましたが、近年、悪性黒色腫にも優れた効果を示す抗癌剤がいくつも開発されています。今後は、進行してしまっていても完治が望める時代が来るのかもしれません。
日常生活での注意点
1年に1回は全身の皮膚のほくろやしみをチェックすると良いでしょう。ご自身で見えない頭や背中はご家族に見てもらってください。次の4つのポイントについてチェックし、2つ以上あてはまるようなら、皮膚科専門医への受診がおすすめです。
- 形が左右対称性でない
- まわりがギザギザしている
- 色が均一でなく、濃淡が混じっている
- 直径が6mm以上ある