ミノキシジルとは
ミノキシジルは血管拡張作用を持ち、高血圧の治療薬として用いられていた薬剤です。後に発毛効果がみとめられ、AGA(男性型脱毛症)の治療薬として使用されるようになりました。日本では1999年にミノキシジルを配合した外用薬が「リアップ」として販売開始され、日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(1)においても「ミノキシジル外用」は推奨度Aと記載されています。
一方で「ミノキシジル内服」は心血管系の副作用を生じる可能性があり、AGAに対する治療薬として認可されている国はありません。学会のガイドラインにも推奨度D(行うべきではない)と記載されていますが、ミノキシジル外用薬では効果が乏しい方や接触皮膚炎(かぶれ)を生じてしまい治療が継続できない方も珍しくないのが実状です。
近年はミノキシジル内服薬の有効性・安全性が多く報告されるようになり(2)(3)、患者さまからのご要望も多いため自費治療としてご用意しております。
治療の流れ
- 治療を開始する前に血液検査を行います。
- 通常1日1錠(2.5mg)で治療を開始します。
- 約3か月後に血液検査を行います。治療を継続する場合、その後も定期的な血液検査(半年~1年に1回)が必要です。
- 6か月内服しても改善がみられない場合、1日5mgへの増量を検討します。
内服できない方
- 妊娠中もしくは授乳中の方
- 未成年の方
- ミノキシジルでアレルギーを起こしたことのある方
- 心臓疾患をお持ちの方
- 重度の高血圧もしくは低血圧の方
- 肝機能や腎機能が低下している方
副作用
- 血圧低下による症状
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されたため血圧低下による症状を生じることがあり、めまい・動悸・頭痛・むくみなどが代表的です。症状が軽度であれば内服を継続することで改善することが多いですが、重度であれば減量・中止が必要です。 - 初期脱毛
内服開始後10日〜1か月ほどで一時的に抜け毛が増える現象のことで、ヘアサイクルが正常化する過程で古い細い髪が押し出されることにより生じます。通常は1〜3か月ほどで自然に治まります。 - 多毛症
ミノキシジルは内服すると頭皮だけでなく全身に行き渡るために体毛が濃くなったり増えたりします。15~20%ほどの方に生じるメジャーな副作用ですが、多くの場合ミノキシジルの減量・中止で改善します。ミノキシジル継続をご希望の場合、各種脱毛(レーザー脱毛など)が選択肢となります。
Q&A
Q)併用してはいけない薬はありますか?
A)ミノキシジルは基本的に併用禁止薬はありませんが、降圧作用をもつ薬剤と併用すると動悸やめまいといった血圧低下に伴う副作用を生じる可能性があります。降圧薬を内服している方はミノキシジルを低用量から始める必要があり、ミノキシジル外用も良い選択肢となります。
Q)お酒を飲んでも良いですか?
A)血圧低下に伴う副作用を生じやすくなるため、ミノキシジルを内服した前後2~3時間は飲酒を避けていただくのが安心です。
<文献>
(1) 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版. 日皮会誌. 2017;127:2763-77.
(2) Aditya K Gupta et al: Low-Dose Oral Minoxidil and Associated Adverse Events: Analyses of the FDA Adverse Event Reporting System (FAERS) With a Focus on Pericardial Effusions. J Cosmet Dermatol. 2025;24:e16574.
(3) 栁澤正之: 毛髪・AGA診療の新論点. Aesthetic Dermatology. 2026;36:17-26.
