酒さ

酒さとは

酒さ(しゅさ)は鼻や頬(ほお)が赤くなり、ひどくなるとプツプツとした発疹がみられる病気です。アトピー性皮膚炎ニキビなどと間違えられやすいため、顔の赤みでお困りの方は、皮膚科専門医への受診がおすすめです。

症状

酒さは、30代以降の方に見られることが多く、症状は下記の3段階に分けられます。

  • 第1度 紅斑性酒さ
    鼻先・頬(ほお)・額・眉間に赤みを生じます。細かい血管の拡張が見られ、ほてり感を伴うことが多いです。
  • 第2度 酒さ性座瘡(ざそう)
    紅斑性酒さの症状が悪化し、ニキビのような発疹も見られるようになります。
  • 第3度 鼻瘤(びりゅう)
    ニキビのような発疹が悪化して、鼻がこぶのように盛り上がります。

原因

酒さの根本的な原因はまだ解明されていませんが、症状を悪化させる要因には下記のようなものがあります。
①緊張、ストレス
②紫外線
③極端な温度変化
④飲酒、香辛料
⑤化粧品
⑥過剰な皮脂
⑦ニキビダニ

検査

診察だけで診断がつくことがほとんどですので、基本的に検査は必要ありません。なんらかのアレルギーが疑われる場合には、血液検査パッチテストを行うことがあります。

治療

一般的な湿疹・皮膚炎で用いられるステロイド外用薬は一時的には効果があるものの、長期的には酒さを悪化させてしまいます。特別な理由がなければ使用してはいけません。

酒さは薬の効き方に個人差が大きいため、下記に挙げた薬を患者さまごとに組み合わせて治療いたします。

  • 外用薬
    • プロトピック軟膏
      ステロイドと同じように炎症をおさえる作用がある外用薬ですが、毛細血管が拡張する副作用がないため、酒さの方でも使用することができます。プロトピック軟膏は欠点として、外用し始めの数日間、チクチクとした刺激感を生じることがあります。
    • ロゼックスゲル
      メトロニダゾールという抗菌薬を主成分とした外用薬です。以前より、酒さに有効であり副作用も少ないことが知られていますが、日本では未だに保険適応外です。当院では自費治療としてご用意しております。
    • イオウ・カンフルローション
      伝統的に使われている外用薬です。殺菌作用や皮膚を乾燥させる作用があります。皮脂が多いタイプの酒さの方に有効ですが、乾燥しすぎる場合があるため注意が必要です。
    • 非ステロイド性抗炎症薬
      コンベック軟膏やスタデルム軟膏といった外用薬は作用が弱いものの副作用がほぼないため、ほかの外用薬では刺激になってしまう方に用いる場合があります。

  • 内服薬
    • 抗菌薬
      ミノマイシンやビブラマイシンといったテトラサイクリン系抗生物質の内服薬は殺菌作用とともに抗炎症作用を持ち、症状が強い酒さの方にも有効です。抗生物質の中では副作用が少ないタイプのため、長期間内服を続けることも可能です。なんらかの理由でテトラサイクリン系抗生物質が内服できない方にはマクロライド系抗生物質も有効な場合があります。
    • 漢方薬
      漢方薬の白虎加人参湯は体の熱を冷ます作用があり、ほてり感のある酒さの方に有効です。ほかに桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散なども用いられることがあります。

  • その他
    進行した第3度の酒さ(鼻瘤)には薬が効きにくいため手術やレーザーでの治療が必要となります。

日常生活での注意点

  • 洗顔
    洗顔は余分な皮脂と汚れを落とし、皮膚の清潔を保つために重要ですが、擦りすぎると酒さが悪化する原因になります。よく泡立てて、手と顔の皮膚が触れないよう洗うのが理想的です。
  • 化粧
    メイク禁止というわけではありませんが、酒さの方はいわゆる敏感肌のため注意が必要です。できるだけ刺激の少ない製品を選ぶようにしてください。
  • 紫外線
    酒さの方は紫外線対策が必須です。日傘や帽子も効果的ですが限界があるため、日焼け止めの使用がおすすめです。日焼け止めは一日中効果が続くわけではないため、最低でもお昼に一回塗りなおす必要があります。天気がくもりの日でも紫外線は60~70%ほどにしか減りませんので油断は禁物です。
  • 食事
    アルコール・カフェイン・香辛料は取りすぎると酒さを悪化させる場合があります。ビタミンB2・B6は皮脂の分泌をおさえる作用があるため、多めにとると良いでしょう。